2023.06.08
歯科検診・予防

歯垢(プラーク)って掃除していますか?落とし方もあわせて解説

口内の食べかすを放置すると雑菌が付着してかたまり、「歯垢(プラーク)」と呼ばれるものに変化します。歯垢は口臭・歯周病・虫歯の原因となる上、見た目にも清潔感がありません。食後は口内のお手入れを徹底し、食べかすを残さないよう注意しましょう。

本記事では歯垢の特徴や放置し続けた場合のリスク、さらには歯垢がついてしまったときの落とし方を紹介します。

歯垢(プラーク)は歯についた細菌のかたまり

「歯垢が虫歯の原因になる」などとよく耳にしますが、そもそも歯垢とはどのようなものなのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

1. 粘着性のある白いかたまり

歯と歯の間や歯と歯ぐきの間に付着する、白または黄白色のかたまりが歯垢です。粘着性があり水に溶けにくいため、うがいをした程度では落ちません。

歯垢の原因は、落としきれなかった食べかすです。食べかすを放置すると口内の細菌が付着して繁殖し、歯垢を形成します。

歯垢ができるのは、食後8時間程度を過ぎてからです。細菌の付着によって形成される歯垢には、1mgあたり約300種類・1億個もの細菌が内包されています。(※)

※出典:e-ヘルスネット(厚生労働省). 「プラーク / 歯垢」

2. 歯垢の種類

歯垢には、「歯肉縁上プラーク」と「歯肉縁下プラーク」の2種類があります。

歯肉縁上プラークは、歯ぐきから上にたまるプラークのことです。一方で歯肉縁下プラークは、歯ぐきの内部、いわゆる「歯周ポケット」にたまるプラークを指します。

歯肉縁上プラークは比較的容易に視認できる一方、歯肉縁下プラークはパッと見ただけでは分かりません。鏡で口内をのぞいたとき「プラークはない」と安心していても、実際は歯周ポケットにたくさん歯垢がたまっていた…ということは十分にあり得ます。

3. 歯垢がつきやすい部位

歯垢が付きやすい部分

歯垢がつきやすいといわれるのは、以下の部位です。

  • 歯と歯の間
  • 歯と歯ぐきの境目
  • 奥歯の噛み合わせ部分

これらの部位は虫歯になりやすい場所ともいわれているため、毎日きちんとチェックするのが望ましいでしょう。

また歯並びが凸凹している人は、歯が重なっている部分や凸凹部分に食べかすが残りやすくなります。必然的に歯垢も発生しやすいため、歯垢チェックにはしっかり時間をかけるのがおすすめです。

4. 歯垢と歯石の違い

歯石とは、歯垢が固くなったものです。唾液に含まれるミネラル成分が歯垢と結びつき、文字通り「石」のように固くなります。歯石ができると自分で除去することは難しく、歯科医院で処置を受けなければなりません。

また歯石ができると、歯の表面が凸凹して細菌が付着しやすくなります。歯周病トラブルを招きやすいため、歯石を放置することは好ましくありません。

歯垢が取り除かれずに放置された場合、個人差はあるものの数日のうちに石灰化が始まります。口内を健康に保つためには、毎日の歯磨きで歯垢を残さないようにすることが大切です。

歯垢(プラーク)を放置するとどうなる?

歯垢を放置すると、口内環境が悪化します。歯垢によりどのようなリスクが高まるのかを見ていきましょう。

1. 歯周病になる

歯周病とは、歯を支える組織が壊されていく病気です。歯と歯ぐきの境目に付着した歯垢を放置すると、歯垢に含まれる細菌がやがて根元まで到達します。

これにより歯ぐきは炎症を起こしたり出血したりしやすくなるのです。さらに症状が悪化すれば歯の根元が溶けてなくなり、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。

2. 口臭が強くなる

歯垢が原因で歯周病となった場合、口臭が強くなる傾向にあります。

歯垢に含まれる細菌の中には、繁殖の過程で強い悪臭を放つものがあるためです。また歯周病によって歯ぐきがダメージを受けると、歯周ポケットに膿(うみ)がたまります。膿の強烈な臭いも、口から出ると不快な悪臭となるでしょう。

3. 虫歯になる

虫歯も、歯垢の放置によって発生します。食後の口内は酸性に傾くため、歯のカルシウムが溶け出します。歯垢がすぐに除去されれば歯を修復する再石灰化が行われますが、歯垢を残したままだと再石灰化が進みません。

歯のカルシウムがどんどん溶け出してしまうと、歯に穴が空いた状態、すなわち「虫歯」となってしまうのです。

歯垢(プラーク)の落とし方

口内の健康を維持するためには、歯垢の除去が欠かせません。歯垢を口内に残さないための、適切な落とし方を紹介します。

1. 丁寧なブラッシング

歯垢を残さないためには、毎食後の丁寧なブラッシングが大切です。歯間や歯と歯ぐきの境目、詰め物をしている歯などは歯垢が付着しやすい傾向があります。磨き残しのないよう、丁寧に歯ブラシを当ててください。

磨き方に不安がある場合は、歯科医院で定期的なチェックを受けるのがおすすめです。歯科医院では、磨き残しがないか歯垢染色剤などを使って確認したり、ブラッシングのコツを教わったりできます。

2. デンタルフロスや歯間ブラシを使う

歯と歯の間にたまった歯垢は、デンタルフロスや歯間ブラシが有効です。歯ブラシでは届かない小さなすき間の歯垢まで、きれいに取り除けます。

なお歯間ブラシを使用する場合は、歯のすき間の大きさに合わせたサイズを選択しましょう。歯間ブラシが大きすぎると歯や歯ぐきを傷つけます。逆に小さすぎると、きれいに歯垢を落とし切れません。

3. 歯科医で定期検診を受ける

口内を丁寧にお手入れしても、歯垢を100%取り除くことは難しいといわれています。そのため歯垢が歯石の層になってしまう前に、歯科医院でケアを受けるのがおすすめです。

歯科医院なら、専用の機器で歯に付着した歯垢や歯石をきれいに落としてくれます。一般的には数カ月程度で歯石がたまってくるといわれるため(※)、数カ月に1回程度定期検診を受けるとよいでしょう。

※出典:e-ヘルスネット(厚生労働省). 「歯石(しせき)」

きれいな歯を保つには歯垢(プラーク)を落とすことが大切

歯垢は、食べかすに細菌が付着したものです。白っぽくねばついているのが特徴で、歯周病や口臭・虫歯の原因となります。食後は口内に歯垢を残さないよう、丁寧なブラッシングに加え、フロスや歯間ブラシでのお手入れを習慣化しましょう。

ただしどれほど丁寧にお手入れしても、わずかな取り残しは避けられません。口内の清潔を保つのであれば、やはりプロに任せるのがおすすめです。定期的に歯科検診を受け、歯垢や歯石をきちんと除去してもらいましょう。

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