オールオン4は後悔する?主な特徴やリスク、後悔するケースを解説

更新日:2025.08.05 インプラント

オールオン4は、全ての歯を失った方やほとんど歯が残っていない方を対象としたインプラント治療の一つです。患者さんの身体的な負担が少なく、総入れ歯に比べて安定性が高いことから多くの人に選ばれています。しかし一方で、実際に施術を受けた方から「やめればよかった」と後悔の声が聞かれるケースもあるようです。

本記事では、オールオン4に不安を感じている方向けに、この治療の基本的な知識やメリット・デメリット、後悔したと感じる具体的なケース、人気の理由についてまとめました。

なお、後半ではオールオン4に代わるオールオン6の説明も行っています。インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

オールオン4とは、4本のインプラント体で義歯を支える治療法

オールオン4は、4本のインプラント体をあごの骨に埋め込み、その上に前歯から奥歯までの10本~12本が一体になった人工歯を乗せて固定する治療法です。

元々オールオン4は、スウェーデンに本社を置くノーベルバイオケア社が考案・開発した、メーカー主導の治療名でした。しかし現在ではこの呼び方が一般化し、4本のインプラント体を用いて10本~12本の人工歯を乗せて固定する治療法全般を、オールオン4と呼んでいます。

オールオン4の基本的な知識とメリット・デメリット

オールオン4の基本的な仕組みや、従来のインプラントとの違い、オールオン4のメリット・デメリットについて解説します。

オールオン4の仕組みと従来のインプラントとの違い

先述の通りオールオン4は、上あごまたは下あごの骨に4本のインプラント体を埋め込み、その上に10本~12本の人工歯を固定する治療法です。

従来のインプラントの場合、1本の歯に対して1本のインプラント体を埋入する必要があり、歯を全て失っている方やほとんどの歯を失っている方の場合は、1本ずつインプラント体を埋入すると患者さんに大きな負担がかかるという課題がありました。

一方、オールオン4なら4本のインプラント体で複数の人工歯を支えられるため、患者さんの治療の負担を抑えられるのが特徴です。

オールオン4の主なメリット

オールオン4は、負担の少なさに加え、以下のようなメリットがあります。

  • 短期間で治療できる
  • 費用を抑えられる
  • 審美性が高い

オールオン4は挿入するインプラント体の本数が少ないため、施術時間は1時間~1時間半と短く済み、治療期間全体も短縮される傾向があります。骨とインプラントが結合するまでの期間は必要ですが、全体的な治療期間は、従来のインプラント治療よりも短くなることが多いです。

また、インプラントの費用はインプラント体の本数で左右されるため、4本しか使用しないオールオン4ならコストを抑えられるという利点もあります。

さらに、オールオン4は色や形状、質感などが全ての歯で統一されているため、全体のバランスを取りやすく、かつ、自然な仕上がりが期待できるところも魅力です。

オールオン4の主なデメリット

オールオン4の主なデメリットには以下のようなものがあります。

  • 外科手術が必要
  • 適応症例に制限がある
  • 定期的なメンテナンスが必要

オールオン4は、あごの骨にインプラントを埋め込むための外科手術が必要です。場合によっては、残存している歯を抜いたりしなければなりません。外科手術には大きな負担がかかるため、高齢の方や疾患のある方は施術できない可能性があります。

さらに、あごの骨量が不足している場合は骨造成手術が必要になり、追加の費用と治療期間が必要になる場合もあります

術後は、定期的に歯科医院を訪れて行うメンテナンスが必須です。術後のケアを怠るとインプラントの劣化が進み、破損や脱落の原因となることもあります。

オールオン4で「後悔した」と感じる具体的なケース

オールオン4はメリットもある治療法ですが、実際に施術した後に「後悔した」と感じるケースもあるようです。ここでは、そうした声につながる具体的な事例と原因について紹介します。

痛み・違和感が続く

インプラント体を設置する位置や角度が不適切だったり、施術中に神経や血管が傷ついたりしてしまうと、術後に痛みや違和感を覚える場合があります。少々の痛みや違和感は時間の経過によって緩和されますが、その症状が長く続く場合は再調整や再施術が必要になるケースもあります。

また、術後のケアが不十分なことでインプラント周囲炎を引き起こすと、強い腫れや痛みを生じる他、放っておくとインプラントが脱落するリスクもあるため注意が必要です。

審美性が期待外れだった

オールオン4は審美性の高い治療法ですが、事前のシミュレーションが不十分だったり、技工士の技術や経験が不足していたりすると、希望通りの仕上がりにならないことがあります。微細な調整が行われない場合、色合いや歯列のバランスが気に入らず、「思っていたものと違う」と後悔する方もいるでしょう。

食事がしにくい・かみ合わせが悪い

オールオン4は全体のバランスを取りやすい治療法ですが、事前の設計にミスがあったり、あごの骨の状態を正確に把握できていなかったりすると、かみ合わせに不具合が生じる可能性があります。

かみ合わせが悪いと食事がしにくくなったり、インプラント体に余計な負荷がかかって破損や脱落を起こしたりするリスクが高まります。

治療費が高額になった・追加費用が発生した

いざインプラントの治療費を支払おうとしたときに、「思ったより高額になった」「追加費用を請求された」と不満に感じるケースは少なくありません。

インプラントの施術を行う際は事前に見積もりが作成されますが、見積もりの内容が不明瞭だったり、追加治療について十分な説明を受けていなかったりすると、予想していた以上の請求があり、困惑や不満につながります。

術後のメンテナンスが大変

「インプラントは手入れが楽」というイメージを抱かれる方は少なくありませんが、実際は通院による定期的なメンテナンスやセルフケアが必要不可欠です。

クリニックに通院して口腔内のチェックやクリーニングなどを行う他、自宅でも歯磨きやフロスを使って念入りにケアしなければなりません。術後のケアについて医師から十分に説明を受けていなかったり、患者さん自身のインプラントに対する認識に誤りがあったりすると、「思ったよりも大変だった」と不満を感じるケースが多いです。

トラブル発生時の対応に不満があった

クリニックのサポート体制に不備があると、痛みや腫れ、破損、脱落といったトラブルが発生したときに、満足した対応を受けられない場合があります。

特にトラブル対応で別途料金が発生した場合、予算オーバーになって不満やストレスを感じるケースもあります。

なぜデメリットが多いのにオールオン4が人気なのか?

オールオン4にはいくつかのデメリットもありますが、実際は多くの方に選ばれている治療法です。オールオン4選ぶ理由は人それぞれですが、費用の面でのメリットや身体的な負担の少なさ、治療期間の短さを理由に決めるケースも多いでしょう。

確かにオールオン4は本数が少ない分、費用は抑えられる傾向です。医療機関の利益の観点でも、自由診療のインプラント治療は各歯科医院が自由に治療費を決められるので、オールオン4とオールオン6の価格差によっては、オールオン4の方が利益を残しやすい場合があります。なお、施術費用自体はオールオン4の方が安くても、術後の経過次第では、オールオン4の方が総コストが高くなる可能性もあります。

身体的負担については、6本より4本の方がダメージが少ないとされますが、あごの骨の状態や患者さんの全身状態によるため一概には言えません。傷の数という意味では確かにそうですが、長いインプラントを使用するため、骨内での実際のダメージは6本埋入する場合より大きいこともあります。必ずしも4本だから負担が少ないわけではないということを理解しておきましょう。

インプラント治療では、上あごの骨の高さが不足している場合には、「サイナスリフト法」と呼ばれる骨造成手術が必要になることがあります。ところがオールオン4では、一般的に骨造成手術が必要となる症例でも、インプラントを傾斜させて埋入する「傾斜埋入」を用いることで、サイナスリフトを行わずに治療できるケースがあります。

そのため、サイナスリフトを避けたい方や、外科的な処置をなるべく抑えたい方にとっては、オールオン4が魅力的に映るかもしれません。ただし、傾斜埋入では骨との接触面積が少なくなる場合があり、骨の吸収やインプラントの脱落といったリスクが高まる可能性があるため、十分な検討が必要です。

なお、サイナスリフトは高度な技術と経験が求められる処置であり、万が一のトラブル時にも適切な対応力が問われます。一方で、オールオン4はあらかじめ設計された「サージカルガイド」を用いて治療を行うことが多く、治療手順の再現性が高いことも特徴です。そのため、比較的経験の浅い歯科医師でも対応しやすい治療法として導入しているクリニックが多いのも事実です。

またあごの骨の量が少ないケースで、「ザイゴマインプラント(頬骨インプラント)」をすすめられたことのある方もいるのではないでしょうか。これはオールオン4の特殊なケースとして、頬骨にインプラント体を固定する治療法です。ザイゴマインプラントは、高度な技術と専門的な知識を要する方法で、再治療の選択肢が限られることや、治療費が高額になりやすいこと、失明のリスクもある点など、検討すべき要素が多くあります。

このような場合は、「サイナスリフト法+オールオン6」の方が、リスクも費用も抑えられる可能性があります。ザイゴマインプラントを提案された場合には、他の治療法との比較を含めて、セカンドオピニオンを受けるのがおすすめです。

もし、長期的な耐久性や安定性を考えるなら、後述するオールオン6が適している場合があります。特にあごの骨が薄い方や、かむ力が強い方、歯ぎしりの習慣がある方は、オールオン4だと早期脱落や破損のリスクが高くなりがちです。

できるだけインプラント治療の効果を長持ちさせたい場合は、オールオン6も選択肢の一つに加えて検討した方が良いでしょう。

オールオン6の概要とメリット

オールオン6とは、あごの骨に6本のインプラント体を埋め込み、その上に奥歯から前歯まで10本~12本の歯が一体化している人工歯を固定する治療法です。オールオン4と同様に、歯が全てない方や、残っている歯の本数が非常に少ない方が対象です。

インプラント体を6本使用することにより、1本のインプラント体にかかる負荷が分散されるため、安定性や耐久性に優れています。また、あごの骨の状態に応じてインプラントの配置を柔軟に調整しやすく、骨造成などの追加処置が不要となる場合もあり、結果として適応できる症例の幅が広がることもメリットです。

インプラント体が多い分、オールオン4に比べてやや費用は高くなりますが、長持ちしやすいという特徴を考慮すれば、長期的に見てコストパフォーマンスの良い治療法と言えるでしょう。

その他、オールオン4とオールオン6に関する違いはこちらにまとめておりますので、お時間がある方はぜひお読みください。

名古屋歯科では年間1,000本以上の症例実績があり、オールオン6の経験も豊富です。骨造成などの難症例にも多く対応してきています。実績のあるクリニックでインプラントをご希望の方は、ぜひ名古屋歯科へご相談ください。

オールオンに関するよくある質問

オールオン4についてよくある質問をまとめました。

Q1:オールオン4の費用相場はどのくらいですか?

A.施術内容や使用する素材、クリニックによって異なりますが、おおよそ200万円~400万円前後が相場とされています。詳細は事前のカウンセリングでご確認ください。

Q2:治療期間はどのくらいかかりますか?

A.オールオン4の手術自体は数時間で完了するのが一般的です。ただし、インプラントが骨に結合するまでには、通常6カ月程度の期間がかかります。その間は仮歯で過ごし、定期的な通院が必要です。この期間は患者さんの状態などによっても異なります。

Q3:痛みはありますか?

A.施術中は麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じないことが多いです。ただし、麻酔が切れた後に腫れや痛みが出る場合があります。

Q4:誰でもオールオン4を受けられますか?

A.全ての方に適応できるわけではありません。例えば、あごの骨量が薄い方や、全身疾患を患っている方は治療できない場合があります。骨造成手術が必要になるケースもあるため、まずは医師による適切な診断が必要です。

Q5:術後の食事制限はありますか?

A.施術直後は出血しやすいため、刺激のある物や硬い物は避けてください。傷が治癒してくるまでは、軟らかい食事を中心にし、医師の指導に従って段階的に通常の食事へ戻していきましょう。

Q6:どのくらい持ちますか?

A.インプラントの寿命には個人差がありますが、一般的には10年程度とされています。ただし、メンテナンスを怠ったり、インプラント体に余計な負荷がかかったりすると早く寿命を迎えることもあります。

安定性や審美性を重視するならオールオン6も検討を

オールオン4は治療費を抑えつつ、患者さんへの身体的負担が少ないインプラント治療法として知られています。しかし、インプラント体の本数が少ないため、耐久性やかみ合わせの安定性といった面でいくつかの問題が生じるケースもあります。

そのため、より長く安定的に使えるインプラントをお探しの場合は、6本のインプラント体で人工歯を支えるオールオン6も選択肢の一つです。

名古屋歯科では、分かりやすい説明と丁寧な治療をモットーに、実績豊富なインプラント専門医が一人ひとりに適した施術を行います。インプラントに関する無料相談会も行っているため、オールオン6について知りたい方や、不安・疑問のある方はお気軽にご相談ください。

公開日:2025.08.05
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